日比谷派遣村レポート終章「力」
人々の情の力。そしてそれが国を動かす、といえばきれいごとだ。
政党の勢力と狙い、メディアの力がうまく調和したときに
爆発力を生み、力となり 国が動く。
今の社会の注目度なども加味すれば野党がこの 都心の派遣村に白羽の矢を立てたのも
納得がいく。
だが、そんな机上の政治力学で 水をかけると なんだか冷める気もするが
これが歴史であり、国を動かす真の力を目の当たりにしていることだと思うと
見届けてやろう、という気になる。
ニュースをみても 派遣村のことばかり。
居酒屋のお客さんに聞いてもみんな 日比谷の派遣村ということを知っている。
ここまで 短い間に関心を持たれたボランティア団体の活動は少ない。
早朝から 満員電車に揺られて
満員の中アンプとギターを持ち 地獄のような車内を耐えて 三度派遣村に
行く。
「おーまたやんの?」
と村の人の中でも少し覚えてもらえたのか 声をかけられる。
挨拶をしながら カメラも多いので 少しはずれの 村の端っこでアンプを展開して
歌い始める。
元ミュージシャンの若者に話しかけられたり、
村民のおばちゃんに ブルーハーツのリクエストを受けたり、
して歓待される。
今、パフォーマーもなく、祭りのあとのような 撤収の中こうして
BGMのように懐メロを 歌うことは 人々を癒すだろうという
明確な 意志でこの活動をした。
シャアのマスクを被ったまま ヒットソングを歌い続ける。
MCのマイクも入れて
『昨日の演説をみたときに 日本が動く瞬間というものをみたような気がしました。
みなさんもこれから始まる暮らしの中で それぞれが人生のチャンピオンになれるように
祈っています・・・・アリスで、チャンピオン』
無理やり 曲に繋げ歌う。
ボランティアの人たちが集まり 最後の挨拶をする。
『これほどのチームワークをみたことがない、と言われました。
私たちはプロじゃないんですね。たまたまここにきて、ここで決めてやってきました。
お疲れ様です』
なんだか 修学旅行によくある風景を思い出す。
さらに この後に デモ行進があるという。
本部前で 弾き語りをするオッサンを発見する。
「あ、あ、アホ太郎~~~ みんなで歌おうアホ太郎♪」
鬼太郎の替え歌だ。
誰も聞いていないようだったが 僕はバカ受けして いっしょに歌った。
喜んでくれたオッサンは僕に名刺をくれたうえに
「いっしょにやろうよ」と 言ってくれたので
「母に捧げるバラード」麻生太郎バージョンを歌うと
近くのおじさんが 「今の、よかったよ。」
と 絶賛してくれて ニュースペーパーと共演すれば?とまで言ってくれる。
ギターで
伝説のフォークソング「友よ」を歌う。
これは 全共闘の時代に 学生運動などのとき、みんなで歌うテーマソングのようなものであり
まさかこれを歌えるとは思わなかった。(周りは歌ってはくれないが)
Die International
という 有名な60年代の もっと昔の 反体制のテーマソングもあるらしく
一部のおじさんが歌っていた。
いや~ いろんな文化があるものだ。
最後の本部の挨拶のときにも 僕のアンプとマイクが役に立つ。
声が届かない 本部の人に 差し出す。「使ってください!」
そして 昼の12時すぎ デモ隊が集まりついに出発。
プラカードというか 画用紙に書いた
「生きさせろ!」「殺す気か?!」
をもらう。
高らかにカードをあげると カメラマンが撮ってくれる。
デモ隊出発
「派遣労働法を改善しろ!」
「政府は企業への指導を強めろ!」
「最低賃金を大幅に上げろ!」
「消費税増税反対!!!」
シュプレヒコールを叫ぶ。
消費税~~などは 僕は 賛同はできないが
いちいち 賛否をわけてもしかたがないので 叫ぶ。
僕たちの前には 外国人の派遣労働者差別と戦う外国人もいた。
きっとこっちのほうが深刻だろう。
長いデモの列が ずんずん進む。
国会議事堂が見えて ここから先は
「請願行進」という プラカードもシュプレヒコールもあげない
行進になる、・・・・のだという。
それを無視してあげる人もいるが・・・・
そして すごい光景を目の当たりにする。
それは 議事堂の周りを 歩いたときに
議事堂のいくつかの 玄関から 議員たちが 出てきて整列している
30人以上はいただろう。 志位さんもいるし 福島さんもいる
みんな笑顔で拍手して通り過ぎるデモ隊を歓迎している。
ちょっと奇妙な光景だ。
そしてなんと 驚いたとことに
アホ太郎のオッサンが 立ち止まり
あろうがことに 「アホ太郎」を歌っているのだ・・・・
あきらかに デモ行進の違反行為である。
しかし この情熱を無駄にはしない、ここでも僕はアンプとマイクを差し出し
アホ太郎を 晴天に届かせた。
「みんなで歌おうアホ太郎。 今日も高給バーで グーグーグー」
ほどほどにして 「行きましょう。まずいっすよ」と 促し デモ隊は進む。
そうするとまた 先に 議員が並んでいた。
結構ひどかったのが なぜか「公明党」をやじったり言いたい放題のデモの人がいたことだ。
いやいや、今そんなことを言う場ではない。
もっと前向きな言葉を投げるんだ
「みなさんご苦労様です。 争うのはやめましょう。ポジティブな言葉を、
麻生太郎の愛した 明るい強い日本を目指しましょう!」と
僕はマイクで呼びかけた。
そのうちの 派遣村幹部の一人が 台座にのり 議員の目の前に進んでシュプレヒコールをあげようとする。
僕はその人にまた マイクを差し出し 「使ってください」
「シュプレヒコール!」
「派遣労働法を 改善しろ!!!!」
議員たちも「オー!」とこぶしを上げる
僕もその 真横で拳を振り上げ 叫んだ。
いや~ すごい、すごすぎる。
この力はなんなのだ。
国を動かすトップたちの目の前で底辺の僕みたいなものが
声をあげて それが笑顔で迎えられている・・・。
これが・・・・力か。
警察にくいつくデモ隊
プラカードを上げるのを注意されると
「なんだよ法的根拠を述べてください!」
と 怒りをあらわにする。
いやいや、こんなところで警察と張り合ってどうする?
デモ行進自体が 警察が許可を取り警備して 道を封鎖しながら進んでいる。
それを守らなければ秩序がなくなる。
守るべき場所では守らなければ 八つ当たりになってしまう。
弱者を守るための秩序を作ろうというのだ、
いたずらに秩序を壊してはなにもならない。
法的根拠よりも 情状酌量の 心が大事なはずだ
心を衰退させるような ものいいは 僕は嫌いだ。
まァ、とにかく デモ行進が終わる。
すると 今度は 近くの会館で 議員たちとの最後の協議がある
僕たちボランティアは 他の場所で 弁当とお茶をもらった。
なんと 1000円はするであろう海老いりの 弁当とお茶をもらい
コンサート会場のような 場所で食べさせてもらえた。
?・・・・いいのかこれで?
これじゃあ 怒るに怒れない。
これが 勝利するということなのか?
いちいち 悩んで 思春期のように傷ついていても不毛だ。
疑問に思えただけで良しとして、勝利は勝利として そのブレは 受け入れよう。
寝床と 食料は12日まで 確保されることになった。
場所を変えて 帰る場所がない人のために派遣村は 残る様子だ。
僕たちボランティアスタッフも 連絡先を渡して また協力できるときに
協力することになる。
翌日の新聞には一面からずっと 派遣村の顛末が描かれていた。
歴史に生きた感覚とともに
きつねにつままれたような現実感のなさもある・・・。
「本気で働く気があるのか」という
偉い人の声も 真を突いている。
少なからず僕は この閉塞感を打破する 情報として
「我も我もと続く」のではなく ポジティブな 「情」が 生まれたことを強調したい。
はっきりとはわからないが
国ってこうしたことに 目を向けて 金も人も動かせば 人々は幸せになるのではないか?
予定調和のポーズでは困るが それさえ感じさせない 腐敗した情報ばかりでは
国民は疲弊する。
本当の希望は きっと零れてしまうから、
だから 僕たちは 優しさに直接触れて
生きてゆきたい。
尾崎豊のライブCDの言葉を借りて この情熱を表現するなら
「うまくいえやしない・・・・だけど、
今夜こうして 夢見たみたいに 今夜こうして 夢見たみたいに・・・
生きてゆきたい!」
まさかこんな 形で 迂回して ボランティア活動に参与するとは思わなかった。
現実の暮らしはもっともっと退屈でつまらない。
だから僕たちは 感じる心を研ぎ澄まし 人に優しくしてゆこう。
現実の厳しさに生きる人は 知恵を正しく共有して
希望を抱いて 生きて欲しい。
みんながみんな、救われる世は 当分こないだろう。
だが、こんな 粋な道を示した世界に今は
「天晴れ」と言いたい。
この 派遣村の間 やけに良かった天気に感謝。
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コメント
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5776334
↑ちょっとこれを聞いてみてくれるかな。
あなたがハマってた派遣村の本質が解るから。
投稿: コブラ | 1月 10, 2009 04:44 午後
もちろん僕らはホームレスがほとんどだった事実は知ってますよ。実際に行きましたから。派遣切りの人はあまりいなかったなんて問題の本質ではありません。問題の本質は「今この瞬間苦しい」って人が大勢いるってことです。
投稿: 義春 | 1月 13, 2009 04:32 午前
その人が苦しい立場なのは9割方自己責任でしょ…。
もちろん、病気が理由で職を失ったとか、そういう止むを得ない人もいるだろうけどさ、9割方の人は自己責任ですよ。
派遣村の連中はそういう人々が増えてる(増えてるか?)のは政策のせいだってことにしたいんだろうけど、
政策のせいか?
俺は自己責任だと思うよ。
政策のせいもあるかもしれないけど、原因としては二番目以下でしょ。
投稿: コブラ | 1月 14, 2009 01:39 午後
もちろんメタ的に今回のこと見ればコブラさんの言うことが全部正しいのだけれども、行動に関して言えば派遣村のボランティアの人たちは何も間違ったことはしてないんじゃないかなーってだけの話です。
投稿: 義春 | 1月 16, 2009 06:13 午前
派遣村って名前がちょっと欺瞞だったよね。
素直に乞食村で良かったんじゃないかな。
投稿: ヴァンサンカン主人 | 1月 18, 2009 02:33 午後
ボランティアの人達も、自分が参加してるものがどういった類のものなのか客観視するべきなんですよ。
「派遣」村って聞いてきたのにホームレスばっかな時点でおかしいと感じて帰るべきなんですよ。
それでも帰らないのは、「どーしても善意を施したい」からなんですよ。
善意を施していいことした気分に浸りたいからなんですよ。
そんなやついけ好かないでしょ。
投稿: コブラ&コブラ | 1月 19, 2009 02:11 午後
たしかにストレートに乞食村でいいですね。そういうところハッキリしないからこういう問題ってややこしくなりますね。素直に乞食村で何が悪いって言える世の中にならないと
投稿: 義春 | 1月 21, 2009 01:56 午前
不思議なのはいくらコメントがついても穂積さん本人がノーコメントなことですね。
投稿: コブラ | 1月 30, 2009 04:17 午後
すいませ~ん。
コメントまで手が回りませんでした。
陰謀説については 実は言われているほどに陰謀じゃないと僕は思ってます。
問題なのは そこを認めろよ!ということがなくては
素直に 喜べない下手な知恵は結構 幸せを阻むってことだと思います。
うまくいえないが いろんな考えのスタイルがあっていいのだけど、
根幹に 明るい希望を持って生きることをオススメします。
世の中に完璧なことなんてないっしょ。
少なからず裏がなけりゃ 逆に怪しいですよ。
なんの 矛盾もなく女性に
「あなたとであったのは運命でした」なんて
言えますかい?
投稿: ウェルダン穂積 | 1月 30, 2009 04:44 午後